<初めてノートを見た日>
早稲アカがスタートし、娘はシールブックを片手に、幸せに通っているかのように見えた。
いや、実際に通うこと自体は楽しく、幸せではあったに違いない。
私は当時、プレッシャーのかかる重い案件を抱えていた。
帰宅して「ただいま」と言っても、すぐに頭を切り替えることは難しいし、帰宅後もメールは飛んでくる。
帰宅して「ただいま」と言っても、すぐに頭を切り替えることは難しいし、帰宅後もメールは飛んでくる。
心も体も完全に仕事を向いていたし、気持ちも張りつめていた。
娘のことは、食事を取りながら、その日の様子を聞くだけで精一杯だった。
せめて、だ。
せめて、休みの週末位、ノートやテキストのチェックをすべきだったと思う。
あれほど、今からの受験は大変だと大騒ぎして塾に入れたのだが、
あれほど、今からの受験は大変だと大騒ぎして塾に入れたのだが、
思ったより楽しそうな様子だったので、ちょっと油断していたのかもしれない。
無知蒙昧。何も知らないというのは恐ろしいものだ。
すでにこの時、入塾してから、数週間経っていた。
「後でノートを見せて」と言ったきっかけは、シャープペンシルだった。
早稲アカには、同じ小学校から一人、既に、通塾していることが分かった。
小学校の筆箱を持って塾へ行かせたところ、「早稲アカではシャープペンを使っていいんだよ」と、その友達に教わったらしい。
小学校の筆箱を持って塾へ行かせたところ、「早稲アカではシャープペンを使っていいんだよ」と、その友達に教わったらしい。
そこで、シャープペンを母に買ってもらう話になったのだそうだ。
「ロフトで好きなものを選ばせれば良いかしら。あなたが学生だった頃は、色々と文具にこだわりがあったわね」と、母は笑った。
「ロフトで好きなものを選ばせれば良いかしら。あなたが学生だった頃は、色々と文具にこだわりがあったわね」と、母は笑った。
確かにそうだ。私はシャープペンの太さや握りやすさが気になり、気に入ったものしか使わなかった。
今でも売っているが、1990年後半から2010年にかけ、『握りの化学』というキャッチコピーのドクターグリップが大ヒットした。
私もドクターグリップの大ファンで、太いシャープペンやボールペンは、今でも好きだ。
今でも売っているが、1990年後半から2010年にかけ、『握りの化学』というキャッチコピーのドクターグリップが大ヒットした。
私もドクターグリップの大ファンで、太いシャープペンやボールペンは、今でも好きだ。
そういえば、マークシート試験では、ぺんてるのマークシートシャープというマークシート専用のシャープペンを使っていた。
このシャープペンは、マークシート専用のBの1.3mmの極太芯が優秀で、一往復でマークシートの欄が塗りつぶせる。手に入れた時は、このアイディアに小躍りしたくなったものだ。
このシャープペンは、マークシート専用のBの1.3mmの極太芯が優秀で、一往復でマークシートの欄が塗りつぶせる。手に入れた時は、このアイディアに小躍りしたくなったものだ。
受験をするということは、こういった用途に応じた文具選びも必要になっていくのだろうか。
いや、娘の手は小さい。やはりシャープペンは、鉛筆より太いのだ。実物を握って、書いてみて決めるが良いだろう。
シャープペンの太さはそれで良いとして、芯はどうしようと思った時、ふと、娘の筆圧が気になった。
かなり力を入れて文字を書く方だ。適した芯は何だろう。Bか、2Bか。
おそろしくも、この時の私は、まだ、そんなことを考えていたのだった。
ドクターグリップ
マークシートシャープ