<一つ目の壁>
ある日、「宿題を教えてほしい」と娘が言ってきた。
何でも、算数の宿題で解けない問題があるというのだ。
以前、個別塾に通っていた頃は、小学校の予習復習が中心で2科目のみ受講していた。
学校の授業より先取りしていたものの、難問でなかったせいか、嫌がることもなく、
国語の読解問題も、算数の計算問題も、自分で時間を作って宿題をやり、先生に提出していた。
個別塾の先生は、宿題の正答率から理解度を考え、指導して下さっていたようだが、
基本先生にお任せの形で、私の方では何もしていなかった。
4年になり、学童保育がない分、帰宅が早くなったので、暇つぶしに進研ゼミを用意していたが、
何でも、算数の宿題で解けない問題があるというのだ。
以前、個別塾に通っていた頃は、小学校の予習復習が中心で2科目のみ受講していた。
学校の授業より先取りしていたものの、難問でなかったせいか、嫌がることもなく、
国語の読解問題も、算数の計算問題も、自分で時間を作って宿題をやり、先生に提出していた。
個別塾の先生は、宿題の正答率から理解度を考え、指導して下さっていたようだが、
基本先生にお任せの形で、私の方では何もしていなかった。
4年になり、学童保育がない分、帰宅が早くなったので、暇つぶしに進研ゼミを用意していたが、
それも、溜めることなく解いていたようだった。
学校からの宿題は、『学年×10分』と言われていた。当時は4年生なので40分。
もちろん、担任の先生の見積もり上の40分なので、それ以上かかることも多かったらしいが、
もちろん、担任の先生の見積もり上の40分なので、それ以上かかることも多かったらしいが、
それでも私が帰宅する頃には終わっていた。
考えてみれば、こうやって、私に聞いてくるのは久しぶりのことだった。
考えてみれば、こうやって、私に聞いてくるのは久しぶりのことだった。
早速、早稲アカからの宿題のプリントを見ることにした。
問題をちらっと見て、解答のプリントを見る。
問題をちらっと見て、解答のプリントを見る。
驚いたことに、詳しい解法が書いていない。
「あれ?これ、答えしか書いていないの?」「解説ないの?」
「ちょっと算数のノート持ってきてくれる?」
「ちょっと算数のノート持ってきてくれる?」
私の顔はどんどん青ざめた。まだ、テキストも手にしていない。
ノートには、どこにもそれらしき解法が書かれていない。
いや、むしろノートには、全く違う単元について書いてある。
どういうことなのだろう。
「今はノートは写せているのかな?」と聞くと
「最近は頑張ってちゃんと写してるよ」と娘は答える。
今の私であれば、この時点ですぐに塾に電話をして聞く。
不明な点があるのであれば、塾に確認した方が良い。
これは子どもが宿題の範囲を書きとれない時もそうだ。
あれこれ考えたり、友達に宿題の範囲を確認するより、本人から塾へ電話をさせた方が早いし、間違いもない。
宿題についてだけ言えば、早稲アカでは共有されていて、学年とクラスを言えば
事務の方が調べて下さったりもした。
ただ、その時はそこまで知らなかったし、考えられもしなかった。
「最近は頑張ってちゃんと写してるよ」と娘は答える。
今の私であれば、この時点ですぐに塾に電話をして聞く。
不明な点があるのであれば、塾に確認した方が良い。
これは子どもが宿題の範囲を書きとれない時もそうだ。
あれこれ考えたり、友達に宿題の範囲を確認するより、本人から塾へ電話をさせた方が早いし、間違いもない。
宿題についてだけ言えば、早稲アカでは共有されていて、学年とクラスを言えば
事務の方が調べて下さったりもした。
ただ、その時はそこまで知らなかったし、考えられもしなかった。
ぼーっとしながら、ノートをチェックする。
あれ?これは・・・。着手した問題の隅に書いてある小さな筆算に目を丸くした。
『81÷9の筆算』が書いてあるのだ。
つとめて冷静に言った。「ねえ、これは九九だよね。だから筆算しなくて大丈夫だよ」と。
意外なことに、娘は「あ!しまった!そうだ!恥ずかしい」というような顔も、
あれ?これは・・・。着手した問題の隅に書いてある小さな筆算に目を丸くした。
『81÷9の筆算』が書いてあるのだ。
つとめて冷静に言った。「ねえ、これは九九だよね。だから筆算しなくて大丈夫だよ」と。
意外なことに、娘は「あ!しまった!そうだ!恥ずかしい」というような顔も、
はっとミスに気が付いたような顔もしなかった。
表情を変えぬまま「わかったよー」と素直な返事をした。何がどうわかったのだろうか。
追い打ちをかけて、全ての九九を言わせたい衝動に駆られたが、
変にプライドを傷つけるのもよろしくないと思い、やめておいた。
もしかしたら、と。
とんでもないところに娘はいるのではないだろうか。
初めて知った現実の一部に悪い予感が渦巻いた。
九九の件で、疲れがどっと出た。
今日は、ここで終わりにしよう。
表情を変えぬまま「わかったよー」と素直な返事をした。何がどうわかったのだろうか。
追い打ちをかけて、全ての九九を言わせたい衝動に駆られたが、
変にプライドを傷つけるのもよろしくないと思い、やめておいた。
もしかしたら、と。
とんでもないところに娘はいるのではないだろうか。
初めて知った現実の一部に悪い予感が渦巻いた。
九九の件で、疲れがどっと出た。
今日は、ここで終わりにしよう。