不屈の闘志 -娘と私の2年間 偏差値35からの中学受験-

鬼が出るか蛇が出るか。唐突に中学受験をすることになった母と娘。偏差値35から偏差値62。紆余曲折2年間の回顧録

四の五の言っている場合じゃない。浮かんだ秘策、変装。

 <隠れろ!通勤時間>


残す問題は通勤時間だ。
 
どうしても、通勤途中、人に会ってしまう。
 
今までの私が、会釈だけして読書をするタイプだったら、お相手も私も会釈だけして互いの道を歩んだであろうが、突然そうはできないものだ。
仮に、私が突然会釈して問題集に戻ったら、お相手に無視されたと思われかねない。
 
人間関係は大切な仕事の一部でもある。
無礼は避けたいし、こじれることも望ましくない。
 
朝はまだ良いのだが、帰りが悩ましい。
お会いした相手も帰り道で、時間のゆとりがあるのだ。
 
どうしたら良いのだろう。
改めて考えた。どこで会社の人と会い、一緒になるのだろう。
 
仮に帰りに同じエレベーターに乗ったとする。これはアウトと思おう。
流れに乗るのみだ。同じ方向なら、何となく離れるまで一緒に歩く。通常通り。
 
他に、駅の改札で偶然会う。このパターンも多い気がする。
こちらは何とかできるのではないだろうか。良い考えはないか。
 
ぼんやりしながら、スマホニュースをスクロールしていた。
そして、ある写真に、ふとひらめいた。
 
芸能人はマスクやサングラス、帽子をかぶって身を隠している。
そんな恰好をしたら、どう考えても目立つだろうと、長らく思っていたが、
「とりあえず誰だかわからないこと」が重要なのではないだろうか。
 
何かが見えた気がした。
マスクは社内でも時折しているので、私とわかってしまうだろう。
冬にサングラスをかけていたら、逆に目立ってしまうだろう。
それなら、帽子はどうだろう?

夜、娘が寝た後、会社で着る服に手持ちの帽子を合わせてみた。
オフィスカジュアルのルールがあるので、ニットキャップは合わない上、額しか隠せない。
 
キャップは顔は隠せるが、オフィス服に合わない。
 
残すのは・・と、つば広のハットを手に取った。
意外なことに、あまり違和感がない。
ましてや、こんな帽子をかぶって出社するような人物が存在するとは、誰も思わないはずだ。
 
翌日から私は、ハットを被って通勤した。
朝は会社の最寄り駅に電車が止まる前に脱ぎ、ハットは大きめのエコバッグにしまった。
帰りは、下りのエレベーターで、3階を通過したら、ハットを被った。
 
必死、そう必死だったのだ。
早く私が理解しないと、宿題を教えてあげるより前に、次の授業になってしまう。
期限が決まっているのだ。
 
馬鹿馬鹿しいようだが、効果は絶大だった。
その日から、一度も声をかけられたことはなかった。
更に、帰路の途中呼び止められて、仕事が増えることもなくなった。
 
目だ。重要なのは目なのだと思う。
目が見えなければ、お互い相手を認識しないのだ。
私から相手も見えないので、申し訳なく思うこともなかった。
 
この変装のおかげで、この先、往復2時間弱の通勤時間の内、1時間半近く勉強に充てることが可能になった。
 
ハットを目深にかぶって、受験問題を片手に電車に乗って通勤する姿は、あまりに滑稽で、今思うと笑ってしまう。
でも、当時は緊張感に満ち、一刻を争う状態だったのだ。

結果的に、この変装アイディアと、スタバで過ごす一人時間の確保は、功を奏した。
 
帰宅するまでに、毎日2時間半勉強できたことで、しばらくの間、娘に余裕をもって教えることができるのであった。
 
 
 
 


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