<初めての学校見学1>
初めての学校見学は、かなり緊張した。
なぜならば、私には、「夫を受験に前向きにさせる」という裏ミッションがあるからだ。
なぜならば、私には、「夫を受験に前向きにさせる」という裏ミッションがあるからだ。
「何着て行くー?」明るく私が問いかける。
夫婦で出かける時は、大体の服装を合わせる。
スーツは固すぎるかなという話になり、夫は紺のジャケットにパンツ。
私はシンプルな紺のワンピースにした。
私はシンプルな紺のワンピースにした。
結局、この後2年間、私立含め、数十回に及ぶ学校見学は、全て紺のシンプルなワンピースを着ていった。
似たようなワンピースを数着持っていたが、真夏もあれば、冬もある。雨の日もあるし、沢山歩く日もある。
都度ホームクリーニングをして、生地も傷み、何着も捨てて、何着も買い替えた程、随分と着用したし、随分と学校見学も行った。
学校見学で調べておくべき項目をチェックする。
・教職員の方の様子
・生徒の様子
・自宅から校舎までDoor to door の時間
・最寄り駅からの時間
・最寄駅の安全性
・最寄駅から学校への通学路の安全性
・教職員の方の様子
・生徒の様子
・自宅から校舎までDoor to door の時間
・最寄り駅からの時間
・最寄駅の安全性
・最寄駅から学校への通学路の安全性
いざ出発する。
電車の中では、学校のレビュー記事で読んだ生徒からの評判を話した。
ここも計画通り。夫は、聞き流しもせず、今日はきちんと聞いている。
今日重要なのは、夫の心を受験へ持っていけるかどうかだ。
失敗すれば、中学受験に対して、夫婦喧嘩もしくは親子喧嘩、または板挟みになるだろう。
喧嘩は見るのもするのも嫌だし、時間も労力も無駄にしたくない。
喧嘩は見るのもするのも嫌だし、時間も労力も無駄にしたくない。
最寄りの大泉学園は一軒家の多い静かな住宅地だった。
帰りは少し暗いかもしれないという点だけ、やや気になったが、心配なものは何もなかった。
帰りは少し暗いかもしれないという点だけ、やや気になったが、心配なものは何もなかった。
そして校門をくぐり、校舎へ向かう道で圧倒された。
道幅がかなり広い。車道のような広さだ。
道幅がかなり広い。車道のような広さだ。
桜並木が、そよそよと風に吹かれていた。
その雰囲気も良かった。
「気持ちが良い秋晴れだね」夫が弾んだ声を上げる。
「これ桜だね。春は、桜が満開で綺麗だろうな」私も答える。
「これ桜だね。春は、桜が満開で綺麗だろうな」私も答える。
自然の力に心打たれ、涙がこみ上げそうだ。
やがてグラウンドが見えてきた。想像よりもかなり大きい。
「おお!これが噂のグラウンド?」と夫が大きな声を出す。
調べておいた情報を、ここぞとばかりに言う。
施設情報を道中ではなく、グラウンドを見てから言うことも、練っていたプラン通りだ。
「こんな学校が山手線の駅から20分の場所にあるのか。しかも私立じゃなくて都立で。すごいな!」
夫の目がキラキラと輝くのを、私は見逃さなかった。
よし!と、心の中でガッツボーズをした。