<塾でお夕飯を食べるという発想>
新小5に向けての準備は着々と進んでいた。
そんなある日、
「来月からは、お弁当でお夕飯を食べるんだね。でも、お弁当って御飯が冷たいんだよねー。お腹が冷えちゃうねー」と娘が言った。
「来月からは、お弁当でお夕飯を食べるんだね。でも、お弁当って御飯が冷たいんだよねー。お腹が冷えちゃうねー」と娘が言った。
「そうね。塾だと、レンジで温めることもできないもんね」と母が言っている。
そうか。夕飯としての塾弁当について改めて考える。
私としては、母が引き受けてくれた時点で、この件は終わっていると思っていた。
しかし、この塾弁当から、受験生の体が作られていくのだ。
もう一つ、深く考えた方が良いかもしれない。
遠足の時は、キャラクター弁当を懇願され、専用のピンセットとハサミで海苔を切った。
運動会の時は、お重に詰める為、複数のおかずをせっせと作った。
考えてみれば、目的が違う。
遠足なら『友達と見せ合いながら、自分の弁当を楽しむ』ことだし、
運動会なら『各々が、好みの物を選んで食しながら楽しむ』ことだ。
となると、今考えるべきなのは、『夕飯を塾で食べる』ことになる。
まだ塾に友達はいない。
楽しさよりも、家庭の夕食を思い出して、ほっとする事、胃袋を温めることが重要かもしれない。
楽しさよりも、家庭の夕食を思い出して、ほっとする事、胃袋を温めることが重要かもしれない。
更に、冷たい時と温かい時では、美味しく感じる塩分の量が違う。
夕飯をそのままの状態で持って行けるなら、過剰な塩分も要らないし、母の手間も楽だ。
ふと、会社で見かけたスープジャーを思い出した。
調べてみると、御飯用もあることが分かった。
<御飯と副菜・デザート用セット>
<味噌汁・おかず用>
単品のスープジャーは2個買い、味噌汁とおかずをそれぞれ入れた。
一つはご飯セットに付属している保温バッグに入れ、
もう一つは、別途、保温ポーチを購入して入れた。
副菜とデザートは、保温バッグには入れず、保冷剤を載せてハンカチでくるんだ。
全て揃えると、結構な金額がかかったが、2年以上使っていることを考えると、決して高い買い物ではない。
例えば和食であれば
・温かい御飯(白米、炊き込みご飯)
・お味噌汁
・肉じゃが
・副菜(きんぴらや、ほうれん草の和え物、ミニトマトなど)
・フルーツ
・温かい御飯(白米、炊き込みご飯)
・お味噌汁
・肉じゃが
・副菜(きんぴらや、ほうれん草の和え物、ミニトマトなど)
・フルーツ
洋食であれば
・温かい御飯
・煮込みハンバーグ
・温野菜サラダ
・フルーツ
といった感じだ。
これら全てと、水筒、除菌ウェットティッシュとランチョンマットをトートバッグに入れた。
カトラリーは、お弁当用のものだと小さく、食べるのに時間がかかると言うので、
カバーを買い、自宅で使用している箸やフォークやスプーンをそのまま持って行った。
塾弁当に関しては、「お弁当の時間を本当に楽しみにしていた」と、今でも娘が言う。
「今日何が入ってるの?」と友達に聞かれることも、「いいな。あったかそう」と友達に言われることも、幸せだったのだそうだ。
後コマの先生が教室にいらしても、まだ食べ終わっておらず、急いで口に放り込み、
「満月!急げー!」と言われ、もぐもぐと食べながら返事をしたことも、全てが楽しかったらしい。
「満月!急げー!」と言われ、もぐもぐと食べながら返事をしたことも、全てが楽しかったらしい。
泣くことが、幾度もあった塾生活、2年間で、お弁当を残して帰ってきたことは一度もなかった。
「泣いた日とか、塾弁に結構救われたりもしたんだよね。」とも言っていた。
娘にとっては重要だったと思う。
きっかけとなった、この日の母と娘の会話には、今でも感謝している。