不屈の闘志 -娘と私の2年間 偏差値35からの中学受験-

鬼が出るか蛇が出るか。唐突に中学受験をすることになった母と娘。偏差値35から偏差値62。紆余曲折2年間の回顧録

受験のために、仕事を辞めるという決断。娘と夫の予想外の反応に戸惑う

<転職。人生の転機_4>


翌朝、娘は朝の勉強の時間に起きてきた。
 
「おはよう。昨日はごめんね。急な残業になっちゃって。」
まず謝る。
 
「そっか。」
娘の答えはそっけない。怒っているし、失望しているのだろう。

「ちょっと話があるんだ。実はママ、仕事辞めようかと思ってる
」と話す。
 
「え。転職したばっかりなのに、また転職するの?もっと忙しくなっちゃうじゃん」と、娘が怒る。
 
「ううん。そうじゃなくて、もう働くことをやめて、家で受験のサポートをしようと思って。
昼間は学校説明会へ行ったり、問題解いたり、コピーしたり、間違い問題をノートに貼ったりして
、午後は塾のお弁当作って、塾に送る。
塾がない日は、放課後、ずっと一緒に勉強しようと思ってるんだ。」と言う。
 
「え!そういうこと!!ほんと嬉しい!!」想像以上に大喜びだ。
 
「ママが隣にいた方が、分からない問題も聞けるし、長い間集中できるよ。
私、前回の組分けの結果が悔しいんだ。だから、これから頑張りたいんだ。」
そうだったのか。胸が詰まる。
 
夜、出張から帰ってきた夫に話す。
「え?受験の為に、専業主婦?」
 
「やだよ。反対」
即座に夫は言う。
 
「俺、仕事から疲れて帰って来た後、『ねぇ。聞いて。〇〇さんの奥さんってこうなのよ』とかいう話聞くのやだよ。
今迄みたいに、お互いの仕事の話してる方がいいよ」
 
夫の反対は、意外だった。
新婚の頃は働くことに反対で家庭に入ってほしいと言っていた。
 
何度も話し合って今があるし、仕事が辛いとこぼす度に「なら辞めたら?俺はいいよ」と言ってくれたからだ。
 
それなのに、断腸の思いで仕事を辞めると言っている今、なぜそんなことをいうのだろう。
 
「それは、ドラマの世界じゃないかな。別に仕事辞めても、誰かの噂や誰かの不満なんて言わないよ。
元々そういう性格でもないし、受験中心の生活になるんだから」
と、私は答える。
 
「でも、仕事が生き甲斐じゃん。それがなくて本当に大丈夫?荒れたりしない?」
 
痛いところを突かれた。これに対しては私も心配している。夫の言う通りだ。
思わず声が小さくなる。
 
「それは、私も怖いの。生活から仕事がなくなるのは、学生以来初めてだから。」
「でも、もうどうしようもないの。私は不器用で、仕事となると、走ってしまって、仕事のことで頭がいっぱいになっちゃうんだ。」
 
「この性格だと、受験と仕事の両立はできない。どこの会社でも。」
 
「でも、あの子の受験には、私の力が必要だし。私立の学校説明会も行かなきゃいけないでしょう。それには、土日だけじゃ間に合わないの」
言葉に熱を帯びると、涙が出てくる。苦渋の決断なのだ。
 
ようやく夫は、私がどうしようもなく追い詰められた状態で、仕事をやめるという選択肢を選んだことを理解したようだった。
 
「そういう話なのか。」とようやく言ってくれた。
 
しかし、「わかった」とは言ってくれなかった。
  
 

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