不屈の闘志 -娘と私の2年間 偏差値35からの中学受験-

鬼が出るか蛇が出るか。唐突に中学受験をすることになった母と娘。偏差値35から偏差値62。紆余曲折2年間の回顧録

10歳の売買損益。確かに知らない言葉ばかりなのだ。

<そしてバイソン>

 
食塩水の翌週が売買損益だった。
 
いつもの様に、帰宅後の娘に「じゃあ、アウトプットしようか」と声をかける。
 
うん。と言いながら娘はノートと予習シリーズを取り出した。
 
「今日の単元は、売買損益。H先生はバイソンって呼んでたよ。だから私もこれからバイソンって呼ぶんだ」、娘は楽しそうに言う。
 
いつもながら、微笑ましく聞いている。
 
「でもね、今日は本当に難しくて。ほとんどわからなかったんだ。完全に苦手かも。どうしよう」と娘が言う。
 
食塩水はあんなに得意気に解いていたのに、売買損益は苦手なのか。
意外だった。
 
売買損益は、例えばこんな問題だ。
 
「〇〇円で仕入れた品物に、△割5分の利益を見込んで定価をつけました。
定価はいくらですか」とか
 
「ある品物に仕入れ値の□割5分の利益を見込んで定価をつけました。
その後、更に、〇割引で売ったところ、△円の利益が出でました。
仕入れ値はいくらですか」などだ。
 
食塩水の問題の方が文章も長いし、濃度の異なる食塩水を混ぜ、更に蒸発させる問題は、聞いているだけで、気が遠くなるようだ。
 
それに比べ、大人にとっては、馴染みもあり、文章も短い売買損益に、娘がこんなに苦戦して帰るとは、意外だった。
 
しかし、今「私は売買損益は嫌い!」と思い込んでしまったら、大変なことになる。
 
最初から苦手意識を持つと、無意識に拒否反応をして構えてしまい、
素直に聞けば、分かることも、分からなくなってしまうからだ。
 
得意な単元は、積極的に褒めて、自信を持たせるようにしていた一方、苦手な単元は「チャンス問題」と言葉を置き換え、「苦手」という言葉を使わないようにした。

克服できれば、プラス得点になるチャンスがあるという意味だ。

娘がノートを広げる。
「まず、バイソンルールを習ったんだけどね。そこに出てくる言葉が分からないんだよね」娘が続ける。
 
「この中で、知っているのは、『割合』だけで、他の言葉は、聞いたこともないんだ」
娘がノートを見せる。

仕入れ値」「割合」「定価」「売値」「利益」
主に出てくるキーワードはこの5つだ。
 
なるほど。10歳の娘にとっては、確かに、聞き覚えのない言葉かもしれない。
 
娘はアウトプットしようとしたが、ほとんど言葉になっていなかった。
 
私はいつも通り、それを聞き、笑顔でこう言った。
「今日もよく頑張りました!」
 
そして、きっぱりとこう言った。

「バイソンは、出てくる言葉を知らなかっただけじゃないかな。
ビックリしたよね。でもね、逆に言えば、言葉を知ったら、すらすら解けちゃうかもよ!

これチャンス問題だね!明日の放課後説明するね!大丈夫!
 
「さ、今日はここまで!お風呂に入って寝よう!」
 
そう明るく言った。
 
久しぶりに一つの単元のカギを私が握ることになった。
デッドラインは明日の15時。
手帳にメモする。

それまでに、売買損益にまつわる言葉を、できるだけ娘にわかりやすく説明できるように準備をしておこう。
 
久しぶりに緊張感のある状態で、その晩は床についた。
 
 

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