<バイソン文章題その1>
単語を理解したところで、いよいよ売買損益の問題に進む。
「『500円で仕入れたお肉に、4割の利益を見込んで定価を付けました。
ところが、売れ残りがあったので、一割5分引きで売りました。売り値はいくらでしょう。」私は問題を読み上げる。
ところが、売れ残りがあったので、一割5分引きで売りました。売り値はいくらでしょう。」私は問題を読み上げる。
一瞬にして、娘の顔が曇る。
「何だか難しいよ。」ぼそっと娘が言う。
「何だか難しいよ。」ぼそっと娘が言う。
「大丈夫。少しずつ解いてみようね。」私は続ける。
「まずは定価はいくらでしょう。定価ってどういうものって話をしたっけ?」と、私が聞く。
「覚えてるよ。スーパーで赤いシールが貼ってない方だよね!
だから、500×1.4で700円!」白紙に計算しながら娘が言う。
「そう!正解!いいよ!いいよ!」私が言うと、娘もうなずく。
一歩ずつだ。
「じゃあ、次。定価が700円のお肉が、売れ残ったので、1割5分引きにしました。
これ、どういうこと?」確認のため聞いてみる。
「スーパーで、赤いシールを貼ったってことだね。だから売り値!」言葉の違いが分かり、嬉しい。
慣れてしまえば、いちいち赤いシールを思い出さなくても良いが、基本は大切だ。
「正解です!定価が700円って出したよね。じゃあ売り値はいくら?」私が尋ねる。
「700×0.85だから、595円!」娘が白紙に計算して答える。
「やったね!解けたじゃない!!」私は娘とハイタッチした。
「でもね、先生のノートだと線分図で解くんだ」娘がノートを見せる。
ふんふんと頷きながら、ノートの線分図を白紙に書きこむ。
「ああ、そうか、1.4倍って意味なんだね。じゃあ3本目の線はどうなるの?」娘が聞く。
「これがポイントだね。仕入れ値を1とすると、定価は1.4だったね。さっき売り値はどうやって出した?」と聞いてみる。
「仕入れ値に、1.4をかけて定価を出して、定価に0.85を掛けて売り値を出したよ。」
自分の計算を見ながら、娘が答える。
「そう!つまり、売り値って、定価の何倍?」私は娘が計算した白紙の1.4と0.85を指しながら、聞く。
「1×1.4×0.85かな」少し小さい声で娘が言う。
「そうだよ!それがこのノートのここに書いてある赤い字だよ!計算してみて」
「1.19!あー!ノートと一緒だ!!」娘が言う。
「じゃあ、仕入れ値に1.19を掛けたら?」私が言う。
「500×1.19で、595円だ!そういう意味かー!」娘は嬉しそうに言った。
「そう!H先生のノートのやり方だと、一回一回計算しなくても、仕入れ値から売値が出せるってことだね。」
「H先生、天才ー!」と元気な答えが返ってきた。
私もあははと笑った。
頑張れ娘!
一歩ずつ進もう。一歩ずつでも歩かないよりは、ずっと上なのだ!