<学校説明会_香蘭女学校>
娘が女子校宣言をしたことで、私にもエンジンがかかっていた。
まだ見学した女子校は数少ない。もっと多くを見学したい。
しかし、私立の学校は無数にあって、途方に暮れてしまう。
「一体どんな学校が娘にあっているのでしょうか。」
ある日、弱気になった私は、元職場のSNSネットワークでつぶやいた。
すると、卒業組の元職場の方から「うちの塾では香蘭が人気だったよ」と教えて頂いた。
恥ずかしながら、香蘭について全く知らなかったので、急いで調べる。
アドバイスを頂いた方は、仕事でも私生活でも、いつも的確なアドバイスをしてくださる方で、とても尊敬している。
私一人の悩みに対して、わざわざお返事をもらえることもありがたかった。
その方がおっしゃるなら、即見に行った方が良い。
香蘭女学校の最寄り駅は旗の台。
黒柳徹子さんの母校であり、ガールスカウトの第1団があるらしい。
娘もガールスカウトに所属している。
確かに娘に合っていそうだ。
自宅から、少し遠いが、行ってみようと第一回説明会に申し込んだ。
しかし、その後だ。
手帳に書き込もうとして、娘の運動会と重なっていることに気が付いた。
小学校の運動会も残り2回だ。是非見てあげたい。
しかし、この第一回説明会を逃すと、次は秋になってしまう。
小5の運動会を選ぶか、学校説明会を選ぶか、悩ましい。
娘が帰宅した後、娘が出場する運動会の競技等について聞く。
「ソーラン節とか、かけっことか、あと点数係もするよ」と娘が言う。
そうなんだね。と言いながら、なるべく静かに話す。
運動会が、香蘭女学校の学校説明会と重なってしまったこと。
香蘭女学校は、会社の先輩のお勧めなので、是非見たいと思っていること。
説明会は午後からなので、午前中は運動会に居られること。
お弁当も例年どおり作ること。
ただ、午後の競技は見られないし、点数係も見てあげることはできないこと。
抜けるのは私だけで、夫も母も叔父叔母も皆応援してくれること。
娘はしばらく考えていた。
「ソーラン節だけは、一生懸命頑張っているから見て欲しい」と言う。
そうだよね。と私も答える。
不法侵入があったり、学校で問題があったり、成績が下がったり、
トラブル続きの小5の春だった。
よく投げ出さず、学校を休まず、一生懸命ソーラン節の練習をしているなと思って見てきた。私も見たい。
「あとママのスペシャル唐揚げが食べたい」
スペシャル唐揚げは、下味をつけるだけで2時間半かかる。
4時半に起床、お弁当作り、身支度をして、場所を押さえ、炎天下で運動会を見て、急いで着替えて、説明会。
ハードで倒れそうなスケジュールだが、それ位聞いてあげるべきだろう。
「OK!作るよ」そう言って、私はにっこり笑った。