<夏休みの最後!組分けテストへ向かえ!>
今思うと、この時の夏が、思い切り走れたのは、
失うものがなかったからかもしれない。
最悪、今のクラスからダウンしてしまうとしても、
算数はH先生と一時のお別れになるが、
理科はまたH先生になる。
まだ何も手にしていないので、
失うものも、あまりなかったのかもしれない。
この頃は、ただ上を見て、
這い上がる根性があれば、それで良かったのだ。
青空にそびえ立つ634メートルのスカイツリーを麓から見上げ、
「やってやるぞ」と宣言して、上り始めた様なものだった。
上に行けば行くほど、強風が吹くことも、道が狭くなることも、
上った分だけ落ちる可能性があることも、何も知らなかったし、
現地点から見上げれば、それは果てしなく上まであった。
そして、上るしかなかったので、何の迷いも焦りもない夏だった。
夏休みの最後、8月末には組分けテストが控えていた。
ここまで勢いに乗って進んだこともあり
算数においては、H先生のプリントもいただいたので、
ママ塾でやりたいこと以上が終わっていた。
理科についても、この夏にやりたかったことは、まずまずできたと思う。
国語と社会においては、不十分どころではないので、
まだ夏のママ塾を続けたい気持ちがあったが、
下手に揺らして失速する前に、
今のエネルギーをそのまま組分けテストにぶつけることにした。
第5回の組分けテストは、範囲の確認を失念していたのだが
娘の話によると、試験範囲は、これまで習った全てだという。
夏のママ塾は、意図して、
テスト直しや苦手な問題を復習していたわけではなかったのに、
結果として復習重視の夏休みが、試験対策も兼ねていたことになる。
嬉しくて、試験範囲を見て喜びの声をあげた。
H先生の授業でも、組分けテストの話が増えていた。
娘は「次こそ絶対に150点取ってクラスアップする!」と
高らかに宣言していた。
先生のお話の中で、算数が150点取れれば、
クラスアップの候補となる話があったのだそうだ。
この頃から一年後、小6になってから先生に伺った話だが、
娘の校舎では、クラスは簡単には上がらない。
娘を担当する全ての先生の意見が一致して、初めてクラスが動くのだそうだ。
そういった話を知らなかった私達は、
一回星を上げれば、上のクラスに上がれると思っていたし、
娘が聞いたH先生の話も、その中の一部分だったかもしれない。
しかし、やる気が更に増したことに、違いはなかった。
私と娘は、更に算数にフォーカスし、得意だった売買損益などの単元も
組分けテストに向けて、再度復習していったのだった。