<志望校判定テスト>
9月は夏休み後の日常に「慣れ」ようとしている間、瞬く間に過ぎていった。
少しずつ私が「起きなさい!」と、朝から大声で起こす割合も減ってきた。
ゆっくりではあるものの、元の環境に適応し始めた様だ。
そんな中、志望校判定テストの日がやってきた。
範囲が分からない、全く予備知識がなく受ける試験は、
前回受けた日能研の試験以来だ。
日能研の試験は、私が調べていなかっただけで、
もしかしたら範囲があったのかもしれないが、
あえて、全く調べずに受けた。
あの時は主として、国語の能力が知りたかったのだ。
初めて受ける試験は怖いものだ。
中学受験、高校受験、大学受験は過去問を解くし、
大人になってから、資格試験を受ける為にも過去問を解くのだ。
それなのに、ぶっつけ本番で受けさせたのだから、今考えると恐ろしい。
可哀想なことをしたと思う。
例えば国語なら、どこに漢字などの知識問題があるのか、
算数なら、どれとどれなら自分で解けそうか
そういった判断を、齢10歳の娘がどこまでできるか知りたくて
娘の負担も考えずに挑ませてしまった。
ただし、本人にはなるべく構えない様、
「このテストは気分転換の様なものだから、結果は全く気にしなくて良いよ。
できる問題だけ頑張ってみてね」
と気楽な雰囲気で送り出すようにした。
それでも娘は当日の朝「お腹痛い」と言い始めた。
やはり、緊張してしまうのか。
病院で先生に教えていただいた「リラックスさせる」という言葉を思い出し
二人で深呼吸したり、ビオフェルミンを飲んだり
「大丈夫。今回は組分けじゃないもんね」と言いながら、
肩をもんだり、緊張をほぐした。
私としては、理科と算数の現在地を知りたかった。
算数は力を入れてきたので単純に実力を知りたい。
理科は、現在の勉強方法で良いのか考えたかった。
一つ下の理科のクラスのは、ボリュームのある宿題を3倍やってきた。
そして、それなりに結果は出た。
しかし、今は宿題を上手くこなせていない。
クラスアップ後、娘にとって難しい問題も解かなくてはならなった。
しかし、難しい問題を解いていると、時間がかかってしまい、
手持ちの時間が減ってしまう。
この宿題で良いのだろうか。
今、娘にその勉強法が相応しいものなのだろうか。
諸々考えていた。
「行ってきます」という娘の口調は元気がなかった。
やはり、ある程度試験に関する予備知識が必要だったかもしれない。
私は後味の悪い思いで、娘を見送った。