不屈の闘志 -娘と私の2年間 偏差値35からの中学受験-

鬼が出るか蛇が出るか。唐突に中学受験をすることになった母と娘。偏差値35から偏差値62。紆余曲折2年間の回顧録

小5、冬。クラスアップ初日。泣きじゃくる娘。え?早速追放された?

<娘を変えた2番目の大先生と娘が初めて話した日>

今までのクラスと

今後のクラスとの差がどれくらいなのか分からなかった。

 

ただ、今までお世話になったH先生から、

「この2つのクラスの差はかなり大きい。

上のクラスに上がった生徒でも、授業についていけなくて

成績が下がっている人は多い」と伺っていたので、

ある程度の覚悟はしていた。

 

「今日は初回だから、授業前にお会いしたら名前を名乗ってご挨拶してね。

それから、いきなり授業を完璧に理解するのは難しいだろうから

まずは頑張ってノートをちゃんと取ってきてね。

ノートがないと後で思い返せないから」

と伝える。

 

「わかった」と娘は言った。

娘はガチガチに緊張していたし、お腹も痛いと言っていた。

それ位、算数のK先生は大ベテランの先生なのだ。

 

今はもう、クラスがアップした喜びよりも緊張感の方が勝っていた。 

 

娘の帰宅はいつもより少し早かった。


がちゃりと音がしてドアが開く。

しかし、いつもの様にハイテンションに話し出す声はない。

あれ?と思って玄関に出迎えると泣いているではないか。

 

「どうしたの?」と驚く。

夫の方を見ると、『さあ、何だろうね?』というジェスチャーをしている。

娘は何も言わないで、しゃくりあげている。

 

「とりあえず、手を洗っておいでよ」

と促してリュックをおろす。

 

「どうしたの」と可能な限り柔らかい声で聞くと

娘がぼそぼそと喋り始めた。

 

「追放されたの」


「え?今のクラスから?」と私は驚く。


「ううん。『国外追放』されたの。

だから私はもう日本にいられない。

もう受験もできないし、早稲アカにも通えない」

 

そう言って泣いている。

 

私は驚いて聞きかえす。

「え?何だって?だれに追放されたの?」

そう聞くと

「K先生」とすかさず答えが返ってくる。

訳が分からない。


「K先生はね、突然問題を当てるの。

それでね『この問題が解けなかったら「国外追放な」って言った時があって。」


「2問とも間違えたら『地球外追放な!』って。」

 

「でね、私、緊張しちゃって、何も言えなくなっちゃって。」


「そしたら、先生が『はい、満月は国外追放です』って」

 

そう言って娘はワンワンと泣いている。


「他にも誰か追放されたの?」と聞くと

「うん。男子があと1人」と娘が答える。

 

「その男子は何て言ってたの?」と聞くと

「やべーって言ってた。」と娘が言う。


なるほど、ようやく状況が分かってきた。

 

ゆっくり話す。

「あのね、それ先生のギャグだよ。

だってね。そんなことで国外追放していたら、

日本人が日本からいなくなっちゃうじゃないの!!」と私が笑うと

 

娘がピタッと止まって顔を上げた。


「え?でもね、先生、真面目な顔だったよ」と繰り返すが

そう言いながらも状況を理解してきているのが分かる。

 

「そう、冗談。クラスの中で通じる先生のネタなんだと思うよ」

そういうと、娘は上を見ながらちょっと考えて、やがてコクリと頷いた。

 

娘の生真面目さは知っていたが、初日からこれか。

こんな調子で大丈夫だろうか、先が思いやられた。

 

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