<精神的に落ちていく娘>
娘は理科のK先生の異動もあり、
トップクラスになってついていけず、質問もできず、孤独感や疎外感もあり
今までの元気が、みるみるなくなっていった。
今までの様に、何とか食いついてやる!と言った意気込みがない。
授業中寝てしまうことはなくなったが、どうも今までとは違った。
無気力に座ってノートを取るだけだ。
先生に教えていただいた『自分で解説を読んで考える』についても試した。
中2の今の娘なら当たり前にできることなのだが
この時の娘には全く理解できず、
解説を開いたまま「ぼーっと」時間が過ぎていくだけだった。
国語の能力が足りなかったし、精神年齢も低かったのだと思う。
何と言っても、もう小6だ。1秒でも時間を無駄にしたくない。
先生に質問しては駄目なのだろうか。折角授業料を払って塾に行っているのに、これでは意味があるのだろうかと
疑問に感じることもあった。
理科についてはK先生の異動先を教わって、理社だけその校舎に行くつもりだったが、
異動先を教えて頂くことはできなかった。
急な異動だったのだろうか、代理の先生もしばらく落ち着かなかった。
娘の精神的な負荷は、私の想像をはるかに超えていた様だった。
ある日の塾化の帰宅後、とうとう娘が泣きながら話があると言い出した。
「ママ、K先生のクラスに戻りたい。今のクラスは私の居場所じゃない。
私の志望校だって、このクラスの人が目指すところじゃないんだよ。
頑張ってどうにかなるものんじゃない。
このままじゃ絶対に成績も下がるし、受験の為にも良くないよ。
Mちゃんは国語がすごいでしょ。だからついていけるんだよ。
このクラスについていくには、国語の力がすごい人しか無理なんだと思う」
そう言って、娘は声を上げて泣いた。
そんなに追い詰め照られていたのかと胸が苦しい。
いつもの私ならすぐ動いた。
しかし、この時は、娘を慰めながら、算数のK先生の言葉が頭を渦巻く。
「かわいい子には旅をさせよ」
クラスアップ後、娘には苦しい日々が続いている。
授業時間が無駄になるのは、本末転倒で問題だと思う。
だからといって、ここで逃げ道を作ってしまったら、
今後、壁が現れる度に逃げてしまう子になってしまわないだろうか。
「わかった。じゃあ、1ヶ月間だけ、今のクラスでできる限りの努力をしてみようか。ママも先生に相談してみるよ。
頑張っても無理ならおろしてもらおう。」と、娘に言った。
「わかった。あと2週間だね」と娘は言った。
「約束するよ」と、私は言った。
この間に、できる限り努力してみよう。
それでも状況が改善しなければ、明らかにクラスとの相性が良くないと判断すべきだろう。
決意が固まって私も腹をくくることができた。