<NN難プロ始まる>
小学校が再開し、日曜日のNNが始まってからは慌ただしかった。
幸いにしてここまでに、八つ当たりが激しく大変だった娘も、
その対応に疲れて不調だった私も回復しており、4月のスタートは元気よく進めることができた。
娘が日曜日丸一日いなくなるというのは不思議なものだ。
お弁当は娘のリクエスト通り、好物の煮込みハンバーグでスタートした。
NN難プロの校舎は複数があるが、娘の通う校舎は遠い。
通常の校舎でも全て送迎しているが、NN難プロは夫が車で送って一度戻るか、
電車で送迎してそのまま外で仕事をしているかの、どちらかして過ごすことになった。
初日は電車ということだったので、お昼過ぎに夫と映画を見る約束をする。
朝はお弁当を作って送り出したら二度寝して、映画を見て、娘の帰宅を待つ。
私としてはかなり解放されることになる。
正直言ってありがたかった。
ここまで来ると、もう距離を取りたいと思っても距離を取れるものではない。
残り10ヶ月は走り続けるしかないのだ。
土曜日もYT週テストで長時間娘はいないが、
テストなので、こちらも精神的にのんびりはできない。
それに比べてNN難プロは、特に何も気にしなくて良く親の精神衛生上かなり助かった。
難プロが始まる直前のある日のことだ。
「ママ!!やばいやばい!!ビックリしないでね!!」と娘が大騒ぎして帰ってきた。
「うん。どうしたの?」と聞く。
小5から、びっくりすることが多すぎて、こちらも多少の事件では驚かない。
「難プロの〇〇校の算数の先生、誰だと思う?K先生だって!やった!!!」。
さすがに娘の言った言葉が理解できず、咄嗟に「え?」と聞き返してしまった。
そうか!そういうことだったのか!!
先日NN雙葉に落ちて、NN難プロへ合格した際
「満月の志望校を考えると、案外これが近道になりうるかもしれません」
と先生がおっしゃった。
それはこのことだったのか。
K先生と娘との長い歴史を思い出す。
K先生の冗談を真に受けて泣いた日。
怖くて話しかけられなかった日。
質問をするだけでお腹を壊した日。
ようやく質問したり、話しかけられるようになった日々。
私達親側も、最初のご挨拶、迎えの時の小さな会話、お電話、個人面談。
回数を重ねて少しずつ信頼関係を築いてきた。
YT週テストは週替わりで先生が代わるが、NN難プロはそうではない。
娘がビックリするほど分かりやすいと言っていたK先生の授業を
少なくとも上期4か月は日曜日にも受けられることになるのだ。
なんてありがたいことだろう。
運良くいけば、難プロの日に質問も済ませてしまえるかもしれない。
自発的に一歩踏み出す勇気を持つことで、運命は大きく変わる。
難プロに入りたいと言ったのも娘、入ろうと頑張ったのも娘。
この日、大きな運命が動き出すことを、私は感じたのだった。