不屈の闘志 -娘と私の2年間 偏差値35からの中学受験-

鬼が出るか蛇が出るか。唐突に中学受験をすることになった母と娘。偏差値35から偏差値62。紆余曲折2年間の回顧録

小6、9月。ママ塾3日目の夜。合不合判定テストの結果。まさかの国語パニック。

<合不合判定テストの結果。突然起こった発作の様なトラブル>

お祭りの仕事を無事に終えた娘が帰宅した。

今なら周りに誰もいないと聞き、急いで家を出てホテルに戻る。

 

ホテルまでの道中、娘はお祭りの様子を話していた。

今年は誰が優しくしてくれたとか、誰が相変わらず面白かったとか。

友達の誰に会ったとか事細かに話してくれた。

とても楽しそうだ。

 

ホテルに戻った後、合不合判定テストの自己採点をしようと私は言った。

その時だ。

リュックからテストを取り出した娘が、突然何か思いだしたように

ハッとした顔をする。

 

今までとは全く違うこわばった表情だ。

 

「どうしたの?」と聞くが、娘は黙っている。

 

ここで初めて、「どうだった?」という質問を

今日は一度もしていなかったことに気が付いた。

 

しまったと思った。

 

いつもは夫と娘がテストに出かける。

その帰り道私が「どうだった?」と必ず聞く。

 

そして、様子を聞いた後、あまり良くなさそうだったり、落ち込んでいたら

気分転換を用意しておくのだ。今日は何の準備もしていない。

それどころか、誰にも会えない隔離した場所に来てしまった。何てことだ。

 

「あのね。何ていうか、何ていうか」

と言葉に詰まりながら娘が口に出す。

 

「国語で、頭が真っ白になっちゃったんだよ。

何をしていいか分からなくなっちゃって。

どうやって解くのかわからなくなっちゃって」

 

と言うのだ。

 

「ええ!!!」と驚きを隠せなかった。

咄嗟とは言え、私も良くない反応をしてしまった。

 

二人しかいない狭い部屋の中でこんな会話をしてしまった為に

娘はウォンウォンと泣き出した。

 

後によくよく話を聞いたところ、

今まで盲点だったが、私と現在の国語のクラス担当のI先生では解法が違うらしい。


例えば選択肢を選ぶにしても、

私は明らかに異なるとわかるものは消して選択肢から除外するよう言っていたが

I先生は、消去法は使わないように言われたし

 

ママ塾でやった問題文に線を引く方法も

「線を引きすぎだ」と注意を受けていたそうだ。

 

私も小5時代は先生の教え方に注意を払っていて、ずれないようにしていたのだが

国語だって、先生が代われば解法が違うのかと驚いた。

 

本番で真っ白になった経験は自分にもあるのでよくわかった。

それまで完璧に記憶していた原稿が、ふと舞台に上がった瞬間に

一言も思い出せなくなったのだ。

舞台袖からディレクターが怒っているのが見えて何とかしようと思ったが、

どうにもならなかった。

 

あの時の私と同じ感じだろうと想像する。

 

「もう泣かないで。自己採点はやめよう!美味しいものでも食べに行こうか!」

と言ったが、娘は泣き続け、そこから2時間泣きっぱなしだった。

私は「大丈夫、大丈夫。何とかなる。よく頑張ってる」

そう言い続け、ずっと娘の背中をさすった。

 

2時間後、ようやくホテルの地下にあるステーキハウスに入った。

二人で大きなステーキを食べた。

 

娘は「美味しい」と言ったきり、黙々とお肉を食べていた。

とても美味しいお肉だったが、美味しいかよりも、

食べて力を付けて、何とか乗り越えなければ、そんな気持ちだったろう。

 

食後は、娘が気に入っていたセルフレジのあるコンビニに寄った。

幾分気を取り直した娘は、ホテルに戻ると、無言で算数と理科のプリントを解き続けた。

やがて疲れたと言ってお風呂に入って眠った。

 

長い一日だった。

娘が眠った後、携帯にはお祭りの楽しそうな様子が、次々に送られてきた。

みんな楽しそうだな。私もそこに居たかったな。と初めて思った。

羨ましくて、切なくて、私はその夜、こっそり泣いた。

 

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